こんにちは、たつのです。
MOOCとはオンライン上でだれでも無料で参加可能な、大規模かつオープンな講義を指します。
つまりは、オンライン学習ができるプラットフォーム。でもただの学習サービスではありません。
国内外の有名な大学やGoogleといった超有名企業が用意した質の高いコンテンツを無料で学ぶことができる、仕事やキャリアに役立つことを学びたい人には絶好のチャンスです。
しかもただ学んで「はい、おしまい」ではなく、スキル・知識を身につけたことを証明する修了証も発行することができるので、転職するためにあなたの能力を企業にアピールする強力なツールにもなるでしょう。
本記事からわかること
- MOOCとはなにか
- 国内外主なMOOC8選と違い
- MOOCのメリット・デメリット
記事を読めば、知らないと損する国内外のMOOCを知ることができ、あなたにとって最適なMOOCを見つけることができるようになります。
MOOCとは
MOOCとはWeb上でだれでも無料で参加可能な、大規模かつオープンな講義を指します。英語の頭文字をとってMOOC。
Massive:大規模な
Open:公開された
Online:オンライン
Course:講義
大学の講義というと、所属している学生しか受講することはできず、受講者はかなり限定的です。
しかしながら、世界中には学びたくても学ぶ機会がない人たちが大勢いることから、だれでもが大学などの講義にアクセスでき学びの機会が得られるようにこのMOOCが登場しました。
MOOCの受講料は無料?
基本的に無料で受講できます。
しかし、一部講義や海外大学の単位を取る場合などは有料で、受講するプラットフォームによっても異なるので、それぞれで確認が必要です。
MOOCでできること
MOOCでできる主なこと
- オンライン講義の受講
- 修了証の発行
- 海外大学のオンライン単位の取得
はじめてMOOCを知って個人的に驚いたのは、海外大学の単位を取れること。
ただし、それなりの費用はかかります。
現地に行きたくとも行けず諦めていた人や、仕事の合間を縫って真剣に大学で学びたい人には貴重なチャンスかもしれません。
MOOCで受講できる講義のジャンル
ジャンルは各MOOCによって異なるので、ここでは全体的にどんなことが学べるのかみてみましょう。
経営・リーダーシップ
ビジネススキル
教育
デザイン・クリエイティビティ
お金・金融・フィンテック
健康・医療・スポーツ
SDGs・社会
先端技術・テクノロジー
デジタル・ITツール
哲学・思想・倫理
自然科学・環境
データ・統計・数学
政治・法律
地理・歴史
国際・地域
宇宙・天文
アート・文化
ビジネス・経済
暮らし・ライフスタイル
働き方・キャリア
人文・心理
あなたの趣味趣向に合う講座を見つけるため、次から国内外のメジャーなMOOCをご紹介していきます。
国内のMOOCおすすめ3選と特徴比較
MOOCというと国内と海外で運営されているものに大別されます。
- JMOOC(PlatJam)
- gacco
- OpenLearning Japan
3つのMOOCを8項目で比較してみると以下のようになります。
【国内MOOCの比較】
JMOOC(PlatJam) | gacco | OpenLearning, Japan | |
運営元 | JMOOC | 株式会社ドコモgacco | JMOOC& 株式会社ネットラーニング |
有料講座 | なし | あり | なし |
開講中講座数* | 28 | 約100 *募集中含む |
6 |
国内大学の講義 | ◯ | ◯ | ✕ |
海外大学の講義 | ✕ | ✕ | ◯ |
修了証 | ◯ | ◯ | ✕ |
LIVE講義 | ✕ | ◯ | ✕ |
アプリ | ✕ | ◯ | ✕ |
*2022年12月現在
見て分かるようにそれぞれ違いがあるので、詳しく1つずつ解説します。
JMOOC(PlatJam)
JMOOCは運営する一般社団法人日本オープンオンライン教育推進協議会の英語の略称で、産学連携でMOOCを運営しています。
実は国内のMOOCの講義を全て把握するには、JMOOCへアクセスすればOKです。
理由はこのJMOOCが講義を配信する日本のいくつかのプラットフォームをまとめるポータルサイトの役割をしているから。
つまり、JMOOCのサイトから他のプラットホームで公開している講義を一気に検索できるようになっています。
次から紹介する2つ含め以下の上4つがJMOOC公認の講座配信のプラットフォームで、その他、PlatJamはJMOOCが展開する講座のプラットフォームです。
- gacco
- OpenLearning, Japan
- OUJ MOOC
- IMETS Web
- PlatJam
gacco
gaccoは株式会社ドコモgaccoが運営するMOOC。
日本のMOOCのなかでも講座数が多く、ほぼ毎月のように講座が追加されています。ジャンルも幅広く、今ホットなAIやメタバース、SDGs、マネリテラシーを学べる講座も。
また、頻度は多くないものの、gacco LIVEと称して、ライブの講義も開催されています。
ちなみにごく一部Premiumといってガッツリ学ぶ用の有料講座も用意されているも特徴的。
OpenLearning, Japan
OpenLearning, JapanはJMOOCと株式会社ネットラーニングが共同で運営しているMOOCのプラットフォーム。
残念ながら、ビジネスパーソン向けの講義は実質3つと受けられる講義がかなり限られています。
ただしいずれも、有名な海外大学の講義を日本語字幕付きで見られるというありがたいMOOCです。
海外のMOOCおすすめ5選と特徴比較
つづいては海外MOOC。先ほどの国内と違って、講座数がグンッと増えて海外有名大学だけではなく、超有名グローバル企業も提供する講座があるのが特徴。
提供されている講義の言語は基本英語です。
- Coursera
- edX
- Udacity
- FutureLearn
- Alison
それぞれ違いが分かる一覧表はこちら。
【海外MOOC比較】
Coursera | edX | Udacity | FutureLearn | Alison | |
主なジャンル | ビジネス IT など全11大分類 |
ビジネス IT など全32 |
IT・デジタル特化 | ビジネス IT など全14 |
ビジネス IT など全10 |
コース数 | 11,289 | 3,600~ | 300~ | 2,164 | 6,472 |
パートナー企業・大学 | 296 | 約160 | 6 | 272 | 328 |
主な講義提供企業 | Google IBM Meta |
Google IBM Meta |
以下企業と共同制作 アクセンチュア NVIDIA GitHub BMW Microsoft Amazon |
アクセンチュア BIMA |
Google Microsoft |
主な講義提供大学 | イェール ミシガン イリノイ |
MIT ハーバード バークレー ボストン |
- | ロンドン リバプール シドニー |
ケンブリッジ スタンフォード |
オンライン単位 | ◯ | ◯ | ✕ | ◯ | ✕ |
修了証 | 有料 | 有料 | 有料コースのみ発行 | 有料コースのみ発行 | 有料 |
アプリ | ◯ | ◯ | ◯ | ✕ | ◯ |
日本語字幕コース | ◯ 232コース |
◯ 8コース |
✕ | ✕ | ✕ |
それぞれのMOOCについて次から詳しくみていきます。
Coursera
【Courseraの基本情報】
主なジャンル | ビジネス IT など全11大分類 |
コース数 | 11,289 |
パートナー企業・大学 | 296 |
主な講義提供企業 | Google IBM Meta |
主な講義提供大学 | イェール ミシガン イリノイ |
オンライン単位 | ◯ |
修了証 | 有料 |
アプリ | ◯ |
日本語字幕コース | ◯ 232コース |
Coursera(コーセラ)はMOOCの代表格のひとつで、全世界で実に1億1,300万人もの人がCourseraで学びの機会を得ています。
上の表ではほんの一部だけ例として記載していますが、講義を提供するのはGoogleをはじめとした超有名企業から、イェール大学やミシガン大学など名の知れた大学。
オンラインで学士・修士の学位も取得できるプログラムも用意されているので、学び直しが推奨されているいま、働きながらも海外大学の単位を現地より割安で取得できる仕組みです。
また注目すべきは日本語字幕コースが用意されている点です。
残念ながら、他のMOOCではedXで数件あるのみで、他では日本語字幕のコースはないので、めっちゃ貴重です。
全編英語で学習することにハードルを感じる人は、まずはCourseraで日本語字幕が選べるコースの中で興味があるものがあるか探してみるのがいいでしょう。
-
関連記事Coursera(コーセラ)とは?登録・使い方〜注意点まで【利用者が徹底解説】
edX
【edXの基本情報】
主なジャンル | ビジネス IT など全32 |
コース数 | 3,600+ |
パートナー企業・大学 | 約160 |
主な講義提供企業 | Google IBM Meta |
主な講義提供大学 | マサチューセッツ工科 ハーバード バークレー ボストン |
オンライン単位 | ◯ |
修了証 | 有料 |
アプリ | ◯ |
日本語字幕コース | ◯ 8コース |
edXはマサチューセッツ工科大学の教授によって2013年にリリースされた、Courseraと並ぶ代表的な海外MOOC。edXでの学習者は全世界で4,200万人。
講義のジャンルも豊富でマサチューセッツ工科大学やハーバード大学などの講義が公開されています。
オンラインで大学の学士・修士の単位を取得できたりと用意されているプログラムの幅は広いです。
公式サイトの言語は英語かスペイン語しか選べないので、英語で学習可能な方向けのMOOCではあります。
-
関連記事【無料で学べる】edXとは?登録・利用方法〜注意点まで解説
Udacity
【Udcityの基本情報】
主なジャンル | IT・デジタルに特化 |
コース数 | 約400 |
パートナー企業・大学 | 6 |
主な講義提供企業 | 以下企業と共同制作 アクセンチュア NVIDIA GitHub BMW Microsoft Amazon |
主な講義提供大学 | ✕ |
オンライン単位 | ✕ |
修了証 | 有料コースのみ発行 |
アプリ | ✕ |
日本語字幕コース | ✕ |
Udacityの1番の特徴はIT・デジタルのスキルを磨くためのコースが充実していること。
ちなみにコースとしては、無料と有料に分かれていて、他のMOOCと違い、大学の講義はありません。
特定の市場での企業評価を行うIDCが2021年に発表したIT関連トレーニングを展開している企業評価の結果を2021年12月に公表しました。
それによると、UdacityはITトレーニング領域で「リーダー的存在」と、公開しているコースの質も高く評価されています。
客観的に評価されているMOOCということもあり、IT・デジタルの高いスキルを身につけ、市場価値を高めたい人はまずはUdacityで気になるコースを探してみるのがよいです。
FutureLearn
【FutureLearnの基本情報】
主なジャンル | ビジネス IT など全14 |
コース数 | 2164 |
パートナー企業・大学 | 272 |
主な講義提供企業 | アクセンチュア BIMA |
主な講義提供大学 | ロンドン リバプール シドニー |
オンライン単位 | ◯ |
修了証 | 有料コースのみ発行 |
アプリ | ✕ |
日本語字幕コース | ✕ |
FutureLearnの学習者は世界で1,800万人を超えています。
本拠地がイギリスということもあって、イギリスやオーストラリアを拠点としているパートナー企業・大学が多く参画しています。
オンラインで大学の単位も取得できますが、種類はあまり多くないので、CourseraやedXでまず好みのコースを探してみるとよいですよ!
Alison
【Alisonの基本情報】
主なジャンル | ビジネス IT など全10 |
コース数 | 6,472 |
パートナー企業・大学 | 328 |
主な講義提供企業 | Google Microsoft |
主な講義提供大学 | ケンブリッジ スタンフォード |
オンライン単位 | ✕ |
修了証 | 有料 |
アプリ | ◯ |
日本語字幕コース | ✕ |
Alisonは2007年にアイルランドで設立され、今では世界で2,500万人がAlisonで学習しています。
他のMOOCと同様に有名企業や大学が提供している講義を無料で受けることが可能。
2-3時間で修了するコースもあって手軽にはじめやすいです。
難点は動画の字幕がない点と無料学習では画面遷移の際や動画の両脇に広告が表示される点。
そこは人によって使い勝手が悪く感じるかもしれませんが、アプリもあるので隙間時間に利用しやすいMOOCです。
MOOCのメリット3つ
次に気になるのがMOOCを利用するメリット。
MOOCのメリット
- だれでも無償で受講できる
- 学べるジャンルが多い
- キャリアに活かせる
くわしく解説します。
メリット①だれでも無償で受講できる
なんといってもオンラインネットワークさえあれば、年齢や性別、学歴などに限らずだれでもが有名企業や大学が提供する教材に無償でアクセスできる点です。
いまとなっては無料のサービスはたくさん世の中にあふれていて、なんだか当たり前に感じますが、これってすごいことです。
MOOCは学びたい人に公平に学ぶための機会を提供することが根底にあります。
メリット②学べるジャンルが多い
MOOCのそれぞれのプラットフォームで学べるジャンルは異なりますが、総じて本当にいろんなことを学ぶことができます。
それぐらいバラエティに飛んでいるので、いま学び直しが国としても後押しをしているなかで、ぴったりなプラットフォームと言えます。
メリット③キャリアに活かせる
お気づきかもしれませんが、ほとんどのMOOCではコースを修了すると、電子ファイルの修了証を発行することがほとんどのコースで可能です。
この修了証は海外MOOCでは発行は有料ですが、自分が身につけているスキルを示すためにすごく有用。
ただ単に知的好奇心を満たすために何かを学ぶのではなく、いまや将来の仕事で活かせる領域の知識・スキルを得ることができれば、これからのキャリアで一段二段とステップアップしていけます。
例えば、修了証を転職の際に企業に根拠として提示したり、Courseraで発行された修了証をLinkedInとリンクさせておくことで、企業担当者にプロフィールを見られたときに「この人物がどんなスキルをもっているのか」というのを可視化することができます。
実際海外では新しいスキルをMOOCで身につけたことで、昇進の機会をものにしたり、学習前よりよい仕事につけたりとMOOCで学ぶ利益があります。
MOOCのデメリット3つ
では一方、MOOCのデメリットととして主に3つ挙げられます。
MOOCのデメリット
- 受講可能期間がある(国内MOOC)
- 自分で学習計画が必要
- 疑問点の解消がむずかしい
1つずつみていきます。
デメリット①受講可能期間がある(国内MOOC)
これは国内のMOOCに当てはまりますが、一部受講可能な期間が決まっていて、それを過ぎると受講できません。
こんな感じで一定期間を過ぎると受講できなくなるので、見逃したくない場合は、手間ですが定期的にそれぞれのMOOCの公式サイトに覗きにいく必要があります。
海外のMOOCについてはアクセスできる講座のみ表示されているので、あまり気にする必要はありません。
デメリット②自分で学習計画が必要
独学の基本ですが、学校と違って自分で学習計画を立てる必要があります。
そのため、しっかり計画を立てないとモチベーションを保つのが大変になります。
まずはMOOCの講義がどんな感じなのか肌感覚をつかむためにも、まずは気になるMOOCで受講してみるのがよいです。
ただそのあとは、学習して何を達成したいのか、「学習の向こう側」を明確にしておくと、それに合わせてスケジューリングできますし、モチベーションも保つことができます。
デメリット③疑問点の解消がむずかしい
これも独学の課題ですね。MOOCも動画やテキストを見て自分で学習を進めるので、どうしても何か疑問がでたときには基本的には自己解決が求められます。
視点を変えて極力疑問を減らすために、全く未知の領域の学習をはじめるときは、コースのなかでも初級→中級→上級となるように学習計画を組むのもひとつ手ですね。
それはUdacity。
受講しているコースで疑問があれば問い合わせをして回答をもらうことができる仕組みです。
MOOCがおすすめな人
結論、MOOCがおすすめな人は、「知的好奇心がある人はだれでも」ですが、強いて言うならここまでのMOOCの特徴、メリット・デメリットなどを基に、以下の3つをぼくなら挙げます。
\こんな人にオススメ/
- 新しいことを学びたい人
- いま・将来の仕事やキャリアで活かせるスキルを身につけたい人
- 英語を学習中・得意な人
繰り返しますが、いまは政府もビジネスパーソンの学び直しを後押ししています。
その上で、新しいことを学び、そしてそれを仕事や将来のキャリア設計に役立てることができればベストです。
また、MOOCは日本語でのコースも一部ですがあるのでだれでも学べます。
ただ海外MOOCに目を向けると、圧倒的に英語での講義がほとんどなので、最大限MOOCのコンテンツを利用するには英語を学習している、もしくは得意な人であれば、抵抗なく受講することができます。
ぜひ気になるMOOCから覗いてみて、あなたの趣味趣向と合うか確かめてみてください。
MOOCは社会人の学び直しに最適
以上、MOOCの基本とメリット・デメリットについて解説してきました。さいごにもう一度MOOCのメリットを再掲します。
MOOCのメリット
- だれでも無償で受講できる
- 学べるジャンルが多い
- キャリアに活かせる
MOOCは何か質の高いことを学ぶためには必要不可欠なプラットフォームといっても過言ではないです。
しかもほとんどの講義が無料で受けられる夢のような話なので、何かを学びたいのであれば使わない手はないですね。
まずは気になるMOOCの公式サイトでどんなコースがあるのかぜひ覗いてみてください。
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