外資系企業では残業事情が日系企業と異なるのか気になりますよね。
結論、外資系企業といっても様々なので、業界や会社、職種によっても残業がどれだけ発生するかは異なります。
外資系にいる僕自身、時期によって変動します。
この記事では、外資系企業がどれくらいの残業があるのかや残業が評価に影響を与えるのかなど、外資系企業の残業事情について、詳しく解説します。
記事を読むと、転職に活用できる外資系企業の残業事情を理解することができます。
「はじめての外資系転職を成功させる方法全9ステップ【外資社員が教える】」では、はじめての外資転職のロードマップやおすすめの転職エージェント3選も公開しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
-
あわせて読みたいはじめての外資系転職を成功させる方法全9ステップ【外資社員が教える】
目次
外資系では残業は多い?
日本の企業の所定外労働時間(残業時間)がどれくらいかは厚生労働省が毎月調査をしていますが、外資系企業のみに絞った大規模なデータは存在しません。
そのため、外資系企業の残業時間が厳密に多いのかどうかの結論は出せませんが、外資系企業の採用情報から独自に調査した参考のデータも盛り込みつつ、なるべく外資系企業の残業をイメージしていただけるようにご紹介します。
まずはじめに、日本の月間残業時間の平均はどれくらいかご存知ですか?
厚生労働省の毎月勤労統計調査令和2年分結果確報によると、直近の令和2年(2020年)の月間の残業時間の平均は9.2時間でした。
同様に、平成30年(2018年)、令和元年(2019年)はそれぞれ10.8日、10.6日なので、日本の月間の残業時間はざっくり10時間前後です。
一方、外資系企業特有の残業時間のデータは、政府の調査データはありません。
全12の業界のうち、外資系企業の約90社が公開している採用情報を調査しました。
そのうち13社から月間の残業時間のデータを得ることができ、その平均は約13.5時間でした。
表. 月間の残業時間の比較(日本の平均(出典)厚生労働省毎月勤労統計調査)
日本の平均(直近3年:2018-2020) | 10.2時間/月 |
外資系企業13社の平均 | 約13.5時間/月 |
この数字を直接比較はできませんが、外資系企業でも平均すると日本の平均の残業時間くらいにはなる可能性があります。
残業が多いかどうかは業種や会社によって異なり、さらに会社の中でも職種によって月当たりの残業時間の多さは変わってくるので、一概に外資系企業の残業がどれくらいかは断言できませんが、残業は外資系企業でも一定の量は発生します。
残業が多いと評価に影響はある?
外資系企業の人事評価は実力主義がほとんどなので、残業すると仕事ができないと上司に思われて、評価に影響があるんじゃないかと気になりますよね。
残業しているからといって、一方的に評価を悪くされたことは僕の経験ではありません。
重要なのは残業している妥当な理由があるかどうかです。
残業には個人レベルでは避けられない場合と自分次第で避けられる場合に分けられ、妥当な理由のない不要な残業は評価の低下につながる可能性があります。
前述した妥当な理由のない残業は後者の「自分次第で避けられる残業」ですね。
詳しくは次のセクションでみていきましょう!
残業があるワケ
あなたは仕事をしていて、こんなことを思ったことありませんか?
「これだけの仕事を残業なしでこなすのなんて、どう考えても無理...」
「大して忙しくないのに、残業してしまってる...」
このように思う背景には大きく2つあります。
なぜ残業してしまうのか、外資系企業特有の事情も絡めて、その2つをみていきます。
個人レベルでは避けられない残業 - 人数はそのままで仕事は増える
外資系企業では日本支社の従業員の人数を海外本社で決めている場合があります。
その場合、仕事量が増えたとしても、本社から増員の承認を得られない限り、簡単に人を増やせないこともあります。
そうなると何が起こるのか。
あなたも簡単にイメージできるように、従業員の数に対しての仕事量が大きくなっている時期は、一人一人に均等に仕事を分配したとしても、一人当たりの業務量は全体の仕事量が少ない時と比較して、大きくなります。
結果、残業に繋がります。
ただし、会社または部署レベルで無駄のある業務の効率化を行えば、ある程度、一人当たりの負担は減らすことができますが、それでも限界はあります。
このように、一人がさばききれる業務量を大きく超える仕事量が舞い込んできたときには、社員一人レベルで残業を回避することはほぼ不可能です。
これが「個人レベルでは避けられない残業」です。
この状態で残業して、それで仕事ができないと評価されたら理不尽ですよね?
上司と定期的に行われる1 on 1(ワンオンワン:上司と1対1の面談)で、自分の業務量をしっかりと伝えておくことで、理不尽な評価を回避することができます。
自分次第で避けられる残業 - 個人の能力・思考に依存する
一方で、個人の能力・思考次第で避けられる場合も一定量存在します。
- 残業代がほしい
- わからないことを調べるために時間を使いすぎた
- 時間外の会議があった
- ただ単にダラダラ仕事してしまった
思いつく範囲で挙げてみましたが、これらの理由に発生する残業はいずれも日系、外資系関係なく、どちらでも起こりえます。
このようにスケジュール管理や集中力を改善することなど、避けられる残業を続けていると「この人は要領が悪い」と上司から思われ、結果として、会社の業績に貢献していないと良くない評価をされる可能性がありますが、これは当然です。
例えば、ある程度均等に社員に仕事を割り振られた上で、周りのほとんどの人も残業をせざるを得ない状態では、前述した「個人レベルでは避けられない残業」とみなされる可能性が高く、残業自体が個人の評価に悪影響を及ぼすことは基本的にはないでしょう。
しかし、周りのほとんどの人は月間の残業がなくこなしていて、特段業務が集中しているわけではないにもかかわらず、残業をしているとかなり目立ちます。
その場合、「要領よく仕事ができない人」と上司に評価される可能性は十分あります。
そのため、妥当な理由がない残業は避けるべきです。
残業代の有無は労働契約の内容による
あと気になるのは残業代ですよね。
月の所定の労働時間を超えて働いた場合は、労働基準法のもと、当然ながら、企業は残業代を支払う義務があります。
ただし、残業代の支払いがあるかどうかは労働契約の内容によります。
ここでは、裁量労働制の場合とそうでない場合に分けてみていきましょう。
裁量労働制の場合
- 業務の時間配分を労働者本人が決めることができ、みなし労働となる
- 原則、所定の労働時間を超えても、その労働に対する残業代の支払いはない
裁量労働制ではない場合
- 所定の労働時間を超えたら、その分の残業代が支払われる
- ただし、毎月の基本給の中に一定時間分の残業代が含まれる契約の場合は、その基本給に含まれる分の残業時間を超えた場合は、その超過分の残業代が別途支給される
裁量労働制ではない場合、契約の内容次第では、ある一定の残業時間を超えないと残業代が出ない場合のあるので、注意してください。
例えば、「基本給に20時間分の残業代を含む」という契約の場合、所定外の労働時間が20時間を超えると、その超えた分が基本給とは別に残業代として支払われる
また、外資系企業では年俸制といって、おおよその年収が決まっていて、インセンティブ(ボーナス)を除いた分の12分割された給料が月収として支払われる給与体系を持っている企業が多いです。
年俸制でも、ひと月の給料に一定の残業代を含む契約ではない場合は、残業代が支払われます。
残業に関わる情報は転職前に必ず情報収集しよう
- 残業代が出るのか(裁量労働制か)
- 月平均の残業時間
具体的な方法としては、
特に月平均残業時間の目安を確認しておくことは、転職後に「こんなに残業あるなんて聞いてない」とならないために必須です。
まとめ:外資系企業でも残業をせざるを得ない場合がある
以上、外資系企業の残業事情についてでした。
会社によって残業の状況は異なるので、転職前に転職エージェントに気になる会社の働き方の特徴について確認しましょう。
\ この記事が気に入ったらシェアしよう!/