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外資系企業に退職金がないってホント?日本の実情をまじえて解説

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外資系企業には退職金がないって聞いたけど、ホント?

「外資系企業には退職金がないから気をつけろ」って一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

細かい話をすると、退職金制度自体ある外資系企業はあります。ただ、退職時に一時金として規定のお金がもらえる「退職一時金」を用意している企業は少ないです。

この記事では、外資系企業で退職金があるのかどうか、また、日本の企業の退職金事情について、図や表も交えながらわかりやすく解説します。

記事を読み終えると、外資系企業の退職金事情を理解することができます

以下の記事「はじめての外資系転職を成功させる方法全9ステップ【外資社員が教える】」ではじめての外資転職におすすめの転職エージェント3選も公開しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

あわせて読みたいはじめての外資系転職を成功させる方法全9ステップ【外資社員が教える】

外資系企業にも退職金制度はある

外資系企業にも退職金制度自体を用意している会社はあります(ただ全部ではないです)

しかし、日本の企業に多い退職一時金を用意している外資系企業は大手でもほとんどなく、退職金制度を用意していない外資系企業ももちろんあります。

じゃあ、日本の企業だからといって必ず退職金制度があるかというと、そういうわけでもなく。退職金制度がない日本の企業もあります。

この状況を理解するためには、日本の退職金制度についてまず知る必要がありますので、順を追ってみていきましょう。

すでに退職金制度についてご存知でしたら、こちらから外資系企業の退職金事情へスキップできます。

退職金制度とは

まず、退職金とは「退職の際に事業者から退職者に支払われるお金」のことです。

退職金が支払われる制度を退職金制度、正式には退職給付制度といいます。

退職金制度が企業にある場合は、支払い条件などもろもろ就業規則に記載されています。

ちなみに、退職金を支払う義務は雇い主にはありません。なぜなら、労働基準法で労働者への退職金の支給を必須と規定されていないからです。

日本だと、なんとなく「会社に退職金あるのは当たり前でしょ」感がありますが、実は退職金制度を用意していない企業もあって、意外にも退職金があることは全然当たり前ではないんですよね。

実際、厚生労働省の平成30年就労条件総合調査(退職給付制度に関する調査では2021年現在最新)によると、調査対象のうち、およそ20%の会社は退職金制度がありません。

また、日本の退職金は、退職後の老後の保障の目的で設立されていると考えられていて、勤続年数が長くなれば長いほどより多くのお金をもらえるのが特徴です。

大きく退職一時金と企業年金がある

退職金制度は大きく分けて、「退職一時金」「企業年金」があります。

呼び名の通り、退職一時金は、退職時に一括で退職金をもらえます。一方、企業年金では、年金のように少しずつ分割して支給されます。

また、さらに退職一時金と企業年金はそれぞれさらに細分化されます。

退職一時金 退職一時金制度
退職金共済制度
企業年金 厚生年金基金
企業型確定給付年金
企業型確定拠出年金

退職一時金制度

  • 退職時に一括で支払われる退職金制度

退職金共済制度

厚生年金基金

  • 企業が厚生年金基金という団体をつくり、その厚生年金基金が国に代わって、老後にもらえる厚生年金の一部を運用して年金給付を行う制度
  • 平成25年の法改正によって、存続が難しくなり、厚生年金基金は解散を余儀なくされたり、後述する確定給付企業年金への移行されたりしているよう
  • そういった背景から、今は厚生年金基金を設定している企業は多くない(参考:日本年金機構 厚生年金基金加入期間がある方の年金

確定給付企業年金

企業型確定拠出年金(DC)

日本企業でも全てで退職金制度があるわけではない

それでは、退職金制度を設けている日本の企業はどれくらいあるのでしょうか。

退職金制度の導入状況
退職金制度の導入状況(出典:厚生労働省 平成30年就労条件総合調査)

厚生労働省の平成30年就労条件総合調査によると、調査企業の全体の80.5%が退職金制度を導入しています(厚生労働省の調査の中では退職給付制度と呼んでいる)。

そのほか、このデータを観察すると、以下の特徴がわかります。

調査結果全体の特徴:

  • 退職一時金のみ:73.3%、退職年金制度のみ:8.6%、両制度併用:18.1%
  • 退職一時金制度を導入している企業(退職一時金のみ+両制度併用)の割合は90%を超え、退職年金(企業年金)制度を導入している企業の約27%よりも圧倒的に多い

企業規模ごとの特徴:

  • 会社規模が大きくなるほど(従業員数が増えるほど)、退職給付制度のある企業割合が増える
  • 会社規模が異なっても、退職一時金制度を導入している企業割合は大きくは変わらず、だいたい80-95%

では、退職年金(企業年金)がある企業(退職年金制度のみ+両制度併用)の企業年金制度の支払い形態はどのようになっているのでしょうか。

企業全体では、企業型確定拠出年金が47.6%、確定給付企業年金が43.3%と多く、その2つが主流のようです。

しかも、企業型確定拠出年金、確定給付企業年金ともに、企業規模による差はそこまで大きくありません。

出典:厚生労働省 平成30年就労条件総合調査

以上、日本の企業での退職金制度の状況について、まとめます。

退職金制度は日本の企業で約80%ほどの導入率

大きい会社ほど、退職金制度を用意している

退職年金(企業年金)制度を用意している会社は日本全体の約27%ほどで、退職年金制度は企業型確定拠出年金と確定給付企業年金が多い

どれくらいの外資系企業が退職金制度を用意している

先ほどは日本の企業の全体の傾向をみていきましたが、次に外資系企業の退職金制度事情をみてみましょう。

結果として、退職一時金制度を用意している外資系企業はほとんどありません

まず、外資系企業の事情を探るため、約12の業界で大手外資系企業90社のホームページを独自に調査しました。

そして、54社の採用情報から退職金制度の有無と退職金制度がある場合はその内訳を調べることができました。

外資系企業54社の退職金制度の形態

54社のうち、ホームページの採用情報で「退職金制度」とだけ掲示していて、退職金制度の詳細が不明の企業がおよそ半分、次に確定拠出年金が一番多く、その次に確定給付年金、退職一時金制度を導入している明示していたのは3社、またいずれかの制度を2つ以上組み合わせたハイブリッド型をとっている企業もわずかにありました。

このように、外資系企業で退職一時金制度を設けている企業は少なく、その一方で、企業型確定拠出年金を用意している企業は比較的多い印象です。

退職一時金は企業型確定拠出年金よりすぐれているのか

ここまでで、日本の企業では退職一時金制度を持っている企業が比較的多く、外資系企業で退職金制度を設けている場合は、企業型確定拠出年金を用意している企業が多いことがわかりました。

そうなると、気になるのが「退職一時金が企業型確定拠出年金よりすぐれているのかどうか(退職一時金と企業型確定拠出年金でもらえる金額がどれだけ違うのか)」という点ですよね。

試しに30年勤続した場合を例に退職一時金と企業型確定拠出年金の差をみてみましょう。

一般的な退職一時金の支給額

まず、30年勤続した場合の、企業での一般的な退職一時金の給付金額はどれくらいなのでしょうか。

厚生労働省の平成30年就労条件総合調査によると、大卒・大学院卒の勤続20年以上した45歳以上の退職金は全体平均で1,678万円です。

その中で、30-34年勤続の人の平均は1,658万円でした。

企業型確定拠出年金の積み立て額

次に、企業型確定拠出年金を30年間積み立てた場合を想定してみます。

ちなみに、企業型確定拠出年金の毎月の積み立て金額の上限は、月額27,500円と55,000円の2通りがあります。(参照:労働金庫連合会 企業型DC>拠出金(掛金)について

ここでは、企業型確定拠出年金以外の企業年金がない企業を想定し、以下の条件で金融庁の資産運用シミュレーションを使用して、計算してみました。

毎月の積み立て金額 55,000円
想定利回り(年率)1%
積立期間 30年
最終積立金額 2,307万円

今度は、企業型確定拠出年金以外の企業年金もある企業を想定して、積み立て金額を27,500円にして、シミュレーションしてみます。

毎月の積み立て金額 27,500円
想定利回り(年率)1%
積立期間 30年
最終積立金額 1,153万円

いかがでしょう?

結果、企業型確定拠出年金を月27,500円で積み立てた場合は、退職一時金の支給額相場より低く、月55,000円では一時金より多い傾向です。

企業型確定拠出年金の運用利回りは運用成績によって前後します

企業型確定拠出年金の毎月の拠出額は、上限金額でシミュレーションしてみたものの、もしかしたら、あなたが思っていたよりは悪くない金額だったかもしれません。

ただし、これらは、30年勤続した場合の比較になるので、途中で転職したり、早期退職したり、また会社が変わると最終的な支給額は変わります。

また、退職一時金の算出条件や企業型確定拠出年金の毎月の積み立て金額も変わることによっても、支給額は変化しますので、一概には言えないですが、退職一時金制度が企業型確定拠出金などの他の企業年金制度と比較して必ずまさっているとは言えないかもしれません。

ちなみに、企業型確定拠出年金はそれを用意している企業でしか、企業型確定拠出年金として資産を運用し続けることができません

例えば、現在の企業で企業型確定拠出年金を使用し、毎月の掛金を運用していて、企業型確定拠出年金がない企業に転職した場合は、転職先でこれまで運用していた資産を継続して運用することができません。

その場合は、自分自身で毎月の掛金をだす個人型確定拠出年金(iDeCo(イデコ))の口座を開設して、その口座に、今まで企業型確定拠出年金として運用していた資金を移動させる必要があります(やや手間ですが)。

このiDeCoの口座への資産の移動を完了させないと、国民年金基金連合会へ自動的に資産が移動させられてしまい、せっかく運用していた資産がその後は運用できなくなってしまうので、それだけは要注意です。

まとめ:退職金制度がある外資系企業はあるけど、退職一時金がある企業は少ない

以上、外資系企業の退職金事情でした。

これから外資系企業へ就職や転職を考えている場合は、気になっている、または志望する企業に退職金制度があるのか、ある場合は、どの制度を採用しているかを調べることをお勧めします。

その上で、入社する企業に十分な退職金制度がなく、老後に不安があるようであれば、個別に資産運用などの検討するのがよいでしょう。

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  • この記事を書いた人

たつの

外資系企業で部下なしマネージャー|仕事で使う言語は7-8割が英語|転職サイト・エージェント20社の利用経験|純ジャパ、海外留学・在住経験なし、初めての海外旅行25歳|英語力ゼロの状態から英語を話せるようになるために大手日系企業▶︎外資系大企業へ転職成功|現在外資へ転職で年収2倍|外資転職に関するご相談はお問い合わせフォームへ

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