外資系企業とは主に3つのパターンがありますが、一般的には、海外に本社を持つ企業が日本で設立した会社を指すことが多いです。
ぼく自身、外資系企業が一般的にどんなところなのか知らないまま転職して、外資系企業に飛び込みました。
その中で学んだ外資系企業のメリットやデメリット、活躍している人の特徴まで、「外資とは」からわかりやすく解説していきます。
記事を読み終えると、外資系企業のデータを知りつつ、転職に必要な外資系企業の特徴を理解することができます!
「はじめての外資系転職を成功させる方法全9ステップ【外資社員が教える】」では、はじめての外資転職のロードマップやおすすめの転職エージェント3選も公開しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
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あわせて読みたいはじめての外資系転職を成功させる方法全9ステップ【外資社員が教える】
目次
外資系企業とは主に海外の企業が日本で設立した会社
結論からいうと、一般的に多いのは、外国企業が日本で設立した会社を指しているケースです。
ただ、他のパターンもあるので、もう少し根本から理解していきましょう!
外資とは?
なんとなくイメージできていると思いますが、まずは「外資」という言葉について確認しましょう。
がいし【外資】
ある国の事業に投資される外国・外国人および外国系企業の資本。外国資本。
引用:コトバンク
「資本」という言葉もでてきたので、この意味も確認しておきましょう。いろいろな意味をもつ言葉なので、ここでは関係のある意味だけ抜粋します。
しほん【資本】
商売や事業をするのに必要な基金。もとで。
引用:コトバンク
つまり、「外資」とは、外国の投資家が投資した、商売をするために必要なお金のことを意味します。
外資系企業とは?
では続いて、「外資」の意味を踏まえて考えてみると、「外資系企業」とは外国投資家の投資によって成り立っている会社といえます。
経済産業省は国や地方公共団体における今後の産業や貿易に関する政策の推進に利用することを目的として、「外資系企業動向調査」という調査を毎年おこなっています。
その調査の中では、調査対象の外資系企業の条件を以下のように決めています。
①外国投資家が株式又は持分の3分の1超を所有している企業であって、外国側筆頭出資者の出資比率が10%以上である企業
引用:経済産業省 外資系企業動向調査
②外国投資家が株式又は持分の3分の1超を所有している国内法人が出資する企業であっ て、外国投資家の直接出資比率及び間接出資比率の合計が3分の1超となり、かつ、外 国側筆頭出資者の出資比率が10%以上である企業
このように外資系企業の明確な線引きはむずかしいですが、ここではざっくり「外資系企業」とは外国投資家がある一定の割合を出資している会社として考えます。
それでは、米国が母国籍の企業を例にして、大きく3つのパターンの外資系企業の例をみてみましょう!
1.外国企業が日本で設立した会社
おそらくあなたが考えるズバリ「外資系企業とは」のイメージが、この「外国企業が日本で設立した会社」ではないでしょうか。この場合、外国企業を親会社とし、日本で設立された会社はその子会社になります。
代表的な会社の一例:アマゾンジャパン合同会社
米国が本社のAmazonの日本の現地法人。オンライン通販やPrime Videoなどのサービスを展開している、今では聞いたことがない人がいないくらいの有名な会社ですね。
2.外国企業と日本企業が共同で出資して設立した会社
この場合、設立された会社は「合弁会社」といわれます。
代表的な会社の一例:ファイザー
2021年にコロナウィルスワクチンを開発し、あなたもニュースでもよく耳にしましたよね。
現在は米国ファイザー本社が100%出資の会社になっていますが、元々は米国本社ファイザーと田辺製薬という会社との共同出資によって日本に設立されました。
3.外国企業によって買収された日本の会社
日本の企業でも海外の企業に買収されると経営はその親会社が行うので、外資系企業の位置付けになります。
代表的な会社:シャープ
2016年に台湾企業・鴻海(ホンハイ)精密工業に買収され、事実上、外資系(台湾)企業となりました。
我々に身近な存在の大手電子機器メーカーの買収とあって、当時ニュースを聞いて衝撃を受けたのを覚えています。
ちなみに、特に海外の会社に買収されると社内の仕組みとか大きく変わるのか気になりませんか?
僕も気になって調べてみました(引用:日経ビジネス)。あなたもきっと気になっている給料について。
シャープ買収後の2017年度から鴻海(ホンハイ)精密工業流の人事制度が導入され、功績ある者は必ず賞し、結果を出せなかった者は必ず罰する「信賞必罰」という制度を本格導入しました。
心の声が漏れてしまいましたが、噛み砕いて説明すると、結果を出した人にはそれなりのご褒美をあげますよっという、いわゆる「成果主義」の制度です。
ボーナスは2016年度は平均2ヶ月分だったものが、人事制度の変更後は平均で年間4ヶ月分支給されるという内容でした。
さらに掘り下げると、高い業績をあげた社員には最大8ヶ月分、その一方で、業績があげられないと最低で1ヶ月分しかもらえない、というものです。
また、等級・給与制度も見直し、優秀者は新入社員でも大幅に給与を引き上げるということです。
頑張ればボーナスだけでなく、基本給も上がるとなると仕事頑張れますよね。
経営においては、鴻海(ホンハイ)グループとの業務提携前、シャープは2014年度、2015年度でそれぞれ965億円、1,924億円の赤字を計上していましたが、その後、2016年度に250億円、2017年度に893億円に見事にV字回復を果たしています。
この例の場合は、経営難だった会社を回復させていく必要があったのも大きいとは思いますが、特に外国企業による買収があると、今回の例のように、社内の仕組みが大きく変わる可能性があります。
ヨーロッパ系の外資系企業が多い
ここまで、米国の会社が日本に進出している例で外資系企業のパターンについてみてきましたが、米国の会社だけが日本に進出しているわけではもちろんありません。
経済産業省の第54回外資系企業動向調査によると、2020年3月現在、同省の本調査で対象とする外資系企業数は5,748社で、うち2,978社より調査の回答がありました。
その会社の国籍の内訳は以下の通りです。
2019年度 集計企業数 | |
ヨーロッパ系企業 | 1,197 |
アジア系企業 | 822 |
うち中国 | 317 |
アメリカ系企業 | 607 |
その他 | 182 |
これをみると、ヨーロッパ系の外資系企業が多いのがわかりますよね。
ヨーロッパ系についでアジア系の企業も多く、そのうち中国系企業の進出も目立ちます。
日本の1,000社に1社は外資系企業
2014年現在で日本の企業(民営のうち会社企業、会社以外の法人及び個人経営)数は約に409万8千のぼります(引用:総務省統計局 平成26年経済センサス-基礎調査の概要)。
つまり、日本全体の企業数のうち、日本に参入している外資系企業数(5,748社)はざっくりした計算でおよそ0.14%にあたります。
これを多い少ないと感じるかは、あなたの感じ方によりますが、日本のおよそ1,000社に1社は外資系企業と考えることができます。
外国企業が日本に参入する理由
では、なぜ多くの外国企業が日本でビジネスを始めるのでしょうか。
日本で事業展開する上での魅力
1.所得水準が高く、製品・サービスの顧客ボリュームが大きい (市場規模が大きい)
2.インフラ(交通、エネルギー、情報通信等)が充実している
3.製品・サービスの付加価値や流行に敏感であり、 新製品・新サービスに対する競争力が検証できる
出典:第54回外資系企業動向調査
ここでは、日本でのビジネスを行う上での魅力の上位3位を挙げました。
ビジネスをする上で売り上げに直結する重要な市場規模の大きさはもちろん、インフラが整っていることや、日本人が製品やサービスなどに対して敏感であることでビジネスチャンスが生まれることが、日本への参入を後押ししています。
業界別!主な外資系企業一覧80社
各業界の主な外資系企業を調べたので、一挙に合計80社をご紹介します。
消費財業界
- P&Gジャパン
- エスティローダー
- ジョンソン・エンド・ジョンソン
- ネスレ日本
- ユニリーバ・ジャパン
- ロッテ
- 日本コカ・コーラ
- 日本ロレル
化学業界
- BASF
- FORMOSA JAPAN
- LG化学
- SABICジャパン
- Shell日本
- イーストマンケミカルジャパン
- エクソンモービル
- エボニック ジャパン
- ダウ
- デュポン
- 日本エア・リキード
電機・重工業業界
- ABBジャパン
- GEジャパン
- 日本サムスン
- 日本ヒューレットパッカード
製薬業界
- CSLベーリング
- MSD
- アストラゼネカ
- アッヴィ
- アムジェン
- インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン
- ギリアド・サイエンシズ
- グラクソ・スミスクライン
- ノバルティス ファーマ
- バイエル薬品
- バイオジェン・ジャパン
- ファイザー
- ブリストル・マイヤーズ スクイブ
- メルクバイオファーマ
- ヤンセンファーマ
- 日本イーライリリー
医療機器業界
- GEヘルスケア
- インテュイティブサージカル
- カーディナル・ヘルス
- シーメンス・ヘルスケア
- ジョンソンエンドジョンソン
- ストライカー・コーポレーション
- バクスター
- フィリップスジャパン
- フレゼニウス・メディカルケア
- メドトロニック
IT業界
- DELL EMC
- Line
- Meta(旧Facebook)
- yahooジャパン
- アップル
- アマゾンジャパン
- シスコシステムズ
- ブルームバーグ
- 日本IBM
- 日本オラクル
- 日本マイクロソフト
広告業界
- I&S BBDO
- マッキャンワールドグループホールディングス
- ビーコンコミュニケーションズ
コンサルティング業界
戦略系コンサルティング
- ベイン・アンド・カンパニー
- ボストン コンサルティング グループ
- マッキンゼー・アンド・カンパニー
- ローランド・ベルガー
総合コンサルティング
- PwCコンサルティング・PwCアドバイザリー
- アクセンチュア
- デロイト トーマツ コンサルティング
- マーサージャパン
会計コンサルティング
- EYストラテジー・アンド・コンサルティング
- KPMGコンサルティング
- マーサージャパン
投資銀行業界
- ゴールドマン・サックス
- シティグループ
- モルガン・スタンレー
保険業界
- AIGグループ
- アフラック
- プルデンシャル生命保険
外資系企業で働くメリット
「外資系企業」といっても、会社が変われば雰囲気や文化は異なるでしょう。
ただ、一般的に外資系企業で働くことで得られるメリットは、おおよそどこも似ているのではないかと思います。
そこで、外資系企業で働いて感じているメリットをご紹介します。
外資系で働くメリット
1. 実力次第で給与が高くなる
2. 英語に触れる機会が増える
3. 海外の人と一緒に働ける
4. 社内公募制度でキャリアチェンジができる
5. 昇級・昇格のチャンスが多い
6. 働き方の自由度が高い
総じて、キャリアの目標に向けてどんどんキャリアアップをしていきたい人にとっては、特に年功序列が色濃く残る日本企業とちがって働きやすく感じます。
特に、実力を社内で示すことができれば、昇級や昇格のチャンスも多くなって、結果的に年収が上がりやすくなるのも大きな魅力です!
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関連記事外資系企業のメリット・デメリット16選|外資で7年働いた実体験
外資系企業で働くデメリット
外資系企業で働くメリットのある一方でデメリットもあります。
外資系で働くデメリット
1. 成果をあげないと年収アップは見込めない
2. 福利厚生は日系企業ほどよくはない
3. 海外出向のチャンスはむしろ日系企業より少ない
4. 変化が多い
最近は以前よりも「転職が当たり前だ」なんて言われるようにもなったので、「日本企業では転職せずに定年まで働き続ける」という安定を求めるマインドの若い人は少ないかもしれません。
まさに、外資系企業では「終身雇用」という働き方よりも、転職しながらキャリアアップしていく働き方が主流です。
もちろん、外資系企業でも転職せず1社で仕事を貫き通す人も中にはいますが、「あの人は優秀だな」と周りから思われる人は、数年で社外のチャンスをつかみとり、転職していきます。
外資系で働くメリットデメリットについては、以下の記事で深掘りしているので、ぜひあわせてご覧ください。
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関連記事外資系企業のメリット・デメリット16選|外資で7年働いた実体験
外資系企業で活躍している人の特徴
外資系企業で活躍している人にはいくつか共通項があることがわかりました。
ここでは3つの特徴をご紹介します。
外資系で活躍している人の特徴
- 論理的に考えられる人
- 周りを巻き込んで成果を出せる人
- 会社の文化を浸透させていける人
1.論理的に考えられる人
特にアメリカでは、論理的にものごとを考えるのが得意で、日本人は壊滅的に苦手なんて言われたりもしますよね。
外資系で活躍している人は、そんな論理的な思考を使いこなし、やはり論理的に最適な答えを仕事の中で導き出すことに長けています。
特に海外の人と日常的に仕事をするようになると、より論理的思考は当たり前のように求められます。
2.周りをまきこんで成果をだせる人
周りを適切にまきこんで、人を動かしながら成果をだしていける人、つまりは、リーダーシップを発揮できている人です。
リーダーシップときくと、大きなプロジェクトに関わっていないと発揮できないようなイメージをもつ人もいるかもですが、必ずしもそうではありません。
というのも、リーダーシップは誰もが発揮できて、しかも小さいタスクレベルの業務でもリーダーシップは発揮できるものです。
小さな業務を含め、周りをまきこみながら目標を達成していける人は外資系企業で活躍しています。
3.会社の文化を広げていける人
会社の文化の意味を自ら理解しようとしたり、それを社内でどんどん浸透させようなんて、ぼくは今まで思いもしませんでした。
でも、最近になって、ビジネスゴールを達成するために必要な「文化」を会社に浸透させることは経営者目線では非常に重要なことだということに気がつきました。
ときには、新たな文化を作り上げていくことで、例えば、部門間の連携をスムーズにしたり、社員のモチベーションに繋がったり、生産性向上に繋がることもあります。
経営者により近いところに自分自身をおいて、経営者の理念に共感しながら、会社が必要とする文化を浸透させていくことをリードしている人は、実際に日々の仕事の中でも活躍しています。
まとめ:日本企業との違いを理解して外資系企業との相性を見極めよう
以上、外資という言葉の意味から、さいごは外資系企業で活躍できる人まで解説しました。
外資系企業は日本企業とは違う雰囲気や文化、働き方があるので、相性のあう人には働きやすく感じます。
外資系企業への転職に興味があれば、外資系転職に強いエージェントについてまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
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関連記事外資系転職に強いおすすめ転職エージェント11選【外資社員が徹底解説】
また、ここではご紹介しきれなかった外資系企業に関する記事です。あわせてご覧ください。
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